今月のキーパーソン

阪急バス株式会社 三田 和司氏


▲ 阪急バス株式会社 代表取締役社長 三田 和司氏

●ご経歴は?
1989年に阪急電鉄に入社し、約30年間、鉄道業に携わりました。バブル期に会社生活をスタートし、バブル崩壊、阪神淡路大震災、失われた30年、新型コロナウイルス禍を経て、昨年から阪急バスで勤務しています。

●仕事で心掛けていることは?
経営者として、また人として「誠実さ」「謙虚さ」「バランス感覚」の3つを大切にしています。

●勉強になったエピソードは?
「座して死を待つよりは、出て活路を見出さん」
三国志の諸葛孔明の言葉ですが、私が仕事で上司から直接聞いた言葉でもあります。
阪急電鉄に勤務していた時に、会社はバブルが弾け大赤字となっていました。その時に鉄道業の大合理化を進めるにあたり、当時の上司が労働組合の幹部に伝えた言葉です。
会社と労働組合の合理化交渉が続いていた当時において、最後の大合理化策を提案した時でした。
会社の経営状態が悪く、一時はどうなるか心配しましたが、従業員も頑張り、その結果がJCSI(顧客満足度調査)で近郊鉄道部門において15年連続で1位に選ばれ、住みたい街ランキングでも高く評価されている現在の阪急電車につながっています。

●苦労したことは?
先ほどの話と関係しますが、大合理化と並行して社員の早期退職者募集が行われていました。
鉄道現業では多くの退職者が出て、要員不足で非常に厳しい状況でした。にもかかわらず、一緒に仕事をした先輩や同僚がたくさん退職しました。
非常に寂しく辛かった時代です。一方で、「退職せずに残って、良かったと思える会社にしよう」と心に誓いました。

●人生の転機は?
係長に昇格して最初の大仕事が阪急電車初のワンマン運転の実施でした。
先ず従業員にワンマン運転導入についてどうやって理解を得るか、またどのような設備や施設、操業や労働条件で業務にあたるかを、当時の乗務職場の労働組合の班長と何度も議論し、労使交渉を経て、教育や訓練を企画して、導入することができました。
上手くいかなければ退職する覚悟で必死に取り組み、難交渉でしたが、先輩や同僚、いろいろな方に助けて頂き、無事導入できた時には、肩の荷が下りるとともに自信につながりました。

●会員事業者の方にお伝えしたいことは?
最近新聞などでバスの運転手不足、路線廃止や減便などのニュースがよく取り上げられています。
大切なお客様の生命と財産をお預かりして、輸送サービスを提供するという、なかなか大変な仕事ですが、社会のインフラとして非常に大事な事業です。
みなさまのご利用なくして、我々の事業は成り立ちません。安全輸送に努めて参りますので、ご支援、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

阪急バス株式会社 三田 和司氏

■所在地 豊中市岡上の町1-1-16
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