生活協同組合コープこうべ 大阪北地区活動本部 本部長 森畑 哲洋氏
●お仕事で心掛けていることは?
人間も生ものですから、ほうっておいたら腐るものだと思います。今、地区本部長というポストに就いていますが、人間というものは組織の中で上位に行けば行く程、つまらない人間になっていくというのも、ある面では真実だと思います。ポストは役割であって、仕事はチームで進めていくものです。自分はあくまでも頭数の一人である事を忘れてはいけない。一番大事なことは謙虚であること。姿勢を低くした方が見える風景は広いと思っています。
●社員教育で力を入れていることは?
仕事は楽しくなければいけないと思う。そのためには自分がやりたいと思うことに存分にチャレンジできる環境を整えることが大事だと思います。みんなに機嫌よく働いてもらうためにはどうすればいいか、どうやったら人の力を引き出すことができるか、それを考えるのが管理者の仕事だと思います。
●勉強になった言葉は?
コープこうべの元理事長で、日本生協連の元会長を務められた高村勣さんという方がおられました。今年の3月で93歳で亡くなられましたが、高村さんがよく口にされていた「雲の上には青空がある」という言葉です。また「山よりでかい猪は出ぬ」ともおっしゃっていました。こういう健全な楽観主義は大事だと思います。ほかにも「心配するな。安心するな」とか「ゆっくり急げ」もよく頭に登場する言葉です。
●苦労したことは?
多分人並みに苦労は経験しているとは思うのですが、あまり過去を振り返ることをしないので覚えていません。苦労というものは、その後の自分の支えになる貴重な体験だと思いますが、それは自分の中で何かの力となって身に付いている筈です。「物語」として引きずることの危うさもあるような気がします。
●人生の転機は?
阪神・淡路大震災のあとの5年間位の時期でしょうか。その頃は広報部に所属していたのですが、それまでいたメンバーの大半が異動して、部の仕事の前面に立つ役回りになりました。私生活でも両親ともに病に倒れ、住んでいるマンションの管理組合の役員をやっていたのですが、その運営がギクシャクしたり、自分も体調を崩したりと散々な時期でした。そのころの広報部の仕事は、震災からの復興期であり、食品偽装が続いたり、毎日がとにかく忙しかった。そのころ身に付けた経験値が今の自分を支えているような気がします。
●今後の展望は?
日々、自分自身が更新されて新しい人間に生まれ変わっていくような毎日が過ごせたらいいなと思っています。
生活協同組合コープこうべ 大阪北地区活動本部 森畑 哲洋氏
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