精和電機産業株式会社
斬新な発想で市場開拓する吉川隆路社長
ステンレス製高級花筒(左)、石製ローソク立と風防 扉「どっち〜も」(右)、クリスタル墓石(中央後ろ)
手掛けている「納骨堂新設工事」
新製品の「取り付け簡単電子ロック」
●お墓関連製品で市場開拓
精和電機産業(株)は、その社名から想像して、電機関係の会社と思いきや、今ではお墓関係の事業が8割を占める会社です。吉川社長の父である先代が昭和45年に新精電機として大阪市東淀川区で開業したのが始まりで、最初はロボットアームの設計スプリングスイッチの製造に従事し、その後各種バッテリー製品の設計・製造などを手掛けていましたが、昭和50年には墓石用装飾品の製造を開始、墓石業界に参入しています。ステンレス加工の花筒・灯篭・線香立・ローソク扉を製造し、それまで木製・プラスチック製のみだった業界に新風を吹き込み、市場開拓に努め、現在は墓石のステンレス関連市場でグループシェア約7割を握っています。また、その成長に比例して、保有特許数は16件、その他意匠登録5件、商標登録3件にのぼります。
●電気・電子技術を取り入れた新製品も続々
現在手掛けているイチオシ事業が「納骨堂新設工事」。顧客のこだわりを反映させた斬新な外観と総石造りにより、荘厳かつ優美な納骨堂で、建物のデザインから、耐震強度、許可関係など、様々な要望に対応できることが強みとなっています。
もう一つのイチオシが「取り付け簡単電子ロック」。これは霊園・納骨堂などに取り付けることで、関係者だけが安心して入場できるようにするもので、赤外線リモコンロックキー・暗証番号ロックキー・電池切れにも対応できるシリンダー錠の便利な3タイプの鍵付きとなっていて、得意とする電子機器の技術が当製品にも盛り込まれています。
●女性の能力を活用した「やわらかさ」のある会社
吉川社長は18歳の時(大学在学中・電気工学専攻)に父が体調を崩し、以後経営に19年間従事。経営方針は『日本のものづくりにこだわり、常に発想の姿勢を保ち続ける』と、まだ30代ですが経営、現場経験、アイデアともに豊富です。ライフスタイルの変化に伴い、お墓も今後形を変えていくと予見し、遺骨を国内でダイヤモンドに結晶化する独自技術の確立を計画。将来は高級腕時計の中で祀るといったスタイルを提案していこうと考えています。
当社の特徴の一つが「女性の活用」。従業員の9割が女性で、製造現場ではプレス機、フライス、旋盤などを巧みに使いこなしています。吉川社長曰く「お墓の最終決定権の多くは女性が持っています。お墓も女性ウケする美的センスが求められる時代ですので、女性の感性が非常に重要です。手先の器用さ、繊細さという点でも当社の仕事は女性に向いています。」
平成25年5月に豊中市曽根南町に新社屋の建設を完成させ移転した精和電機産業。新たな節目の年を迎え、今後の発展が非常に楽しみな会社です。
精和電機産業株式会社
■代表取締役 | 吉川 隆路氏 |
■事業内容 | 墓石・建築石材用金属製装飾品の製造・販売、 電気・電子機器回路の設計・施工 |
■所在地 | 豊中市曽根南町2-5-56 |
■TEL | 06-6865-3360 |
